なんか涼しくなってきましたね。
夜の気温は20℃もいかないし、7月とはえらい違いだ。

おはようございます。弘大ラジオサークル3年は工藤たかゆきこと、わたしです。
先日8月18日に放送された『土曜の夜は弘大ラジオ』、そのトラベルプランナーのコーナーでは、『山vs海の旅』ということで山の案内人としておしゃべりさせていただきました。海の方は2年の奥平ふさえさんが案内をしてくれていましたね。さて、今月の旅の様子は非常に夏らしい、しかし涼しげな音がたくさん聞けたので情景を想像しやすかったかと思います。だがもっと楽しめる、ということで放送では伝えきれなかった旅先の魅力を、写真付きでもお伝えしていきましょう。



【山の旅 〜藤の滝〜】

涼しさを求めるために、山に赴くか、海に臨むかという口論の末、いっそ両取りしてしまおうというのは当然の帰結でありまして。



まずやってきたのは津軽鉄道の嘉瀬駅。ここ津軽半島の梵珠山から北に連なる山脈には、広大な森林とその中を流れる滝川が多くあるようで、今回の狙いはその一つであるところの『藤の滝』を拝みに行こうというものです。
嘉瀬駅のホームに降りて電車を見送ると、線路を挟んでホームの向かい側には様々な衣装に身を包んだかかしがお出迎え。人を象ったようでいて歪なその造形は、アーティスティックでありながらもどこか不気味さを感じさせる姿でした。ある種映画さながらホラーな雰囲気を感じさせましたが、しかし不思議な魅力もあるものでして。言われてみれば愛嬌のある顔をしているような。
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かかしに見送られて、藤の滝のある山方面へと歩くのですが……
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長っ。
ご覧の通りの晴れ模様で、長いアスファルト道を真っ向から吹き押してくる風に逆らって歩いていきます。当時は朝7時頃で気温が上がっていなかったから良かったものの、2時間近い徒歩は冷静に考えて苦行なので、藤の滝に観光に行く場合は嘉瀬駅までタクシーを手配するか自家用車での移動をお勧めします。



さて、嘉瀬駅から藤の滝まで道のりの半分ほどのあたりから山の林道に入るのですが、ここからジリジリとした日射しは木漏れ日に変わります。平野部でわたしたちを吹き曝していた強風も、林に入ればそよ風を感じさせるばかりです。これこそが静かなること林の如き抱擁力でありますゆえ。
あ、ちなみにここではアブなどの虫からも手厚い歓迎を受けますので、虫除けの用意をお忘れのないよう。



林道を歩き続けると、水の流れ落ちる音が聞こえてきます。ここが今回の目的である『藤の滝』でございます。
落差が大きく、滝壺側には降りられないので、滝口側から見下ろすような位置に展望台(?)のような場所があります。その入り口にはここが藤の滝であることを示す立て札に『太宰治ゆかりの地 魚服記 藤の滝』と記されています。そのことを意識すると、このあたりは林の木々が空を閉ざすようにしてわたしたちの頭上に手を伸ばし、なんとも不思議な、ともすれば不気味な雰囲気を醸し出しているように思えます。
それはさておきやはり滝は良いですね。すごくマイナスイオンって感じで。『魚服記』を読んでそのイメージを持ちながらこの滝を訪れれば、背筋もちょっと涼しくなるかもしれません。

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青空文庫 太宰治 魚服記
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1563_9723.html



【海の旅 〜千畳敷海岸〜】

藤の滝を後にして 再び嘉瀬駅に戻り、五所川原駅へ向かうため津軽鉄道に乗ります。ときにこの津軽鉄道、7・8月中は『風鈴列車』というキャンペーンを開催しており、期間中は電車に乗りながら風鈴の音を楽しめます。長い歩きで疲れていたこともありましたが、電車のリズムと風鈴の音の協奏ってどうしてあんなに落ち着きと安らぎを誘ってくるのでしょうね。不思議です。



五所川原駅で風鈴列車を降りた後、五能線に乗り換えて『千畳敷駅』に到着すると、駅から車道を超えた先には見渡す限りの岩石海岸が広がっています。
山の旅でもお話ししたように、この日は雲一つない快晴の上に髪を逆なでるほどの強風ときたこともあり、海岸の岩に打ち寄せる波の調子はご機嫌一番の有り様でした。
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収録の傍ら、青空をキャンバスにして撮影会に興じていました。
旅の終わりに、荒波のテンションに負けないふさえさんの躍動感あふれる1枚をパシャリ。
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【旅を終えて】

いががでしたでしょうか?『山vs海の旅』の旅行記は、これにて締めくくりとなります。
旅を終えた感想としては、非常に天候に恵まれた一日だったなということです。
強風や荒波、快晴の日射しなどのコンディションは、山の静かな涼しさを対照するうえでも、海の爽快感あふれる涼しさを表現するうえでもとても効果的に働いたように思いました。
実はこの旅の数日前、同じように旅をしようと思ったら朝から豪雨で電車が止まり収録を断念せざるを得ないという事故がありまして。怪我の功名というやつですね。
それでは、最後に『山vs海の旅』に同行してくれた4人の軽い紹介を添えて、この旅行記の結びとさせていただきます。

皆様、良いお休みを。
わたしでした。



【同行者紹介】

工藤たかゆき(農学生命科学部3年)
プレゼンター兼この記事を書いたやつ。林道では常に5匹ほどのアブにたかられていた。

奥平ふさえ(人文社会科学部2年)
プレゼンター兼ディレクター。千畳敷海岸でカモメの鳴きまねをしながら追い回していた。

成田みな(医学部3年)
山の旅ミキサー。嘉瀬駅でペットボトルが開けられずに困っている子供を助けてあげていた。

大久保ゆうた(理工学部2年)
海の旅ミキサー。海の家で一枚1000円の生牡蠣を注文するか否かで葛藤していた。